閉鎖病棟とは?「一度入ると出られない」噂の真相と入院基準の実態

閉鎖病棟とは?「一度入ると出られない」噂の真相と入院基準の実態

閉鎖病棟とは?「一度入ると出られない」噂の真相と入院基準の実態とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。

精神科病院の病棟は、構造と処遇の観点から大きく「閉鎖病棟」と「開放病棟」の2つに分かれます。両者を分ける唯一にして決定的な基準は、「病棟の出入り口が常時施錠されているかどうか」という構造上の違いにあります。

閉鎖病棟では、エレベーターホールや病棟連絡口のドアが電子ロックや二重鍵で厳重に管理されており、患者が自分の意思だけで勝手に病棟の外へ出ることはできません。出入りには医師や看護師が持つ専用キーやインターフォン越しの解錠が必要です。これに対し、開放病棟は日中(一般的に朝7時から夜20時前後まで)ドアが解錠されており、患者は医師の許可の範囲内で売店に行ったり、敷地内を自由に散歩したりできます。

なぜ鍵をかける必要があるのか。閉鎖病棟に配置される患者の多くは、重度のうつ状態による激しい希死念慮、統合失調症の急性期による幻聴・妄想、あるいは双極性障害の躁状態に伴う見当識障害など、「一時的に自己判断能力や衝動のコントロールが著しく低下している状態」にあります。病棟を物理的に遮断する目的は、衝動的な徘徊や飛び出し事故、無断外出による遭難・事故から患者の生命を守り、外的な刺激を極力断ち切って脳と神経を休息させる点にあります。

一方で、病棟内に入ってしまえば、ナースステーションを中心にデイルーム(食堂・談話室)、プレイルーム、診察室、個室および大部屋(4人部屋が主流)が配置されており、内装自体は一般的な総合病院の病棟と大きく変わりません。壁は淡いパステルカラーで統一され、木目調の家具を配するなど、リラックスを促す環境作りが進められています。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。