そもそも、なぜメガネのネジは日常的に使っているだけで緩んでしまうのでしょうか。眼鏡技術者への取材によると、その主因は「テンプルの開閉動作に伴うトルクの伝達」と「微細な振動の蓄積」にあります。
メガネの蝶番(ヒンジ)部分は、開閉をスムーズにするために適度な遊びを持たせて設計されています。しかし、日々の着脱によってネジ自体に微細な回転負荷がかかり続けます。さらに、歩行時の振動や顔の筋肉の動き、皮脂や汗の浸入による潤滑作用の変化が重なることで、ネジは少しずつ緩み方向へと回転していきます。
特に注意が必要なのが、以下の2箇所です。
- 蝶番(ヒンジ)のネジ:テンプルを固定する部分。緩むとメガネがずり落ちやすくなり、脱落すると耳に掛けられなくなります。
- リムロック(縁巻き)のネジ:メタルフレームなどでレンズを挟み込んで固定しているネジ。ここが緩むと「レンズが突然落下して割れる」という最悪の事態を引き起こします。
- 鼻パッド(クリングス)のネジ:直接肌に触れるため汗や皮脂が付着しやすく、腐食や緩みによってパッドごと脱落するトラブルが頻発します。
「少しくらいグラついても掛けられるから」と放置していると、ある瞬間完全にネジが抜け落ち、フレームの歪みや高価なレンズの破損といった取り返しのつかない損害を招くことになります。