『資治通鑑』というタイトルは、「治を資(たす)くるに通ずる鑑(政治を助けるための普遍的な手本)」を意味します。その中に散りばめられた洞察は、組織マネジメントや人材採用に悩む現代のビジネスリーダーにも深い示唆を与えてくれます。
特に有名なのが、人材の登用基準について論じた「才と徳のバランス」に関する一節です。
司馬光は人間を4つのタイプに分類しました。徳も才も兼ね備えた者を「聖人」、徳も才もない者を「愚人」、徳が才に勝る者を「君子」、才が徳に勝る者を「小人」と定義。その上で、「才ばかりあって徳のない小人を重用することこそが、国家や組織を破滅に導く最大の要因である」と断じています。能力が高くても倫理観を欠いたリーダーを据えれば、その才知が悪事に使われ、組織に致命傷をもたらすという警告は、現代の企業不祥事を見事に予見しているかのようです。