2021年6月2日、公式ファンクラブおよび公式サイトを通じて突如発表された「山下穂尊の脱退と芸能活動からの引退」。同年6月10日・11日に横浜アリーナで開催された単独ライブが3人での最後のステージとなり、7月末日をもって正式にその歴史にピリオドが打たれました。ファンに大きな衝撃を与えたこの決断の裏には、一体どのような真実があったのでしょうか。
当時、一部の週刊誌報道などでは私生活を巡るトラブルやスキャンダルが取り沙汰され、ネット上では「トラブルによる事実上の解雇ではないか」といった憶測も飛び交いました。しかし、公式声明および関係者の詳細な証言を総合すると、決定打となったのは「人生の折り返し地点におけるクリエイターとしての生き方の分岐」でした。
水野良樹が自著や手記で明かしている通り、メンバー3人は2020年のコロナ禍を機に、活動のペースが物理的にスローダウンした期間を利用して、これからの人生とグループの未来について1年以上にわたり何度も膝を突き合わせて議論を重ねました。その対話の中で山下から打ち明けられたのが、「パフォーマーとして表舞台に立ち続けることへの葛藤」と「文章を書くことや裏方としてのものづくりに専念したい」という強い意志でした。
水野と山下は小学生時代からの幼馴染であり、吉岡とも20年以上の歳月を共に過ごしてきた関係です。彼らが選んだのは、無理にグループという枠組みに山下を縛り付けて形骸化させることではなく、友人の新たな人生の決断を尊重し、笑顔で送り出すという「発展的解消」でした。水野は当時の発表で「3人の関係性は変わらない。ただ、山下は別の道から表現を続ける」と明言しており、憎しみや不和による決裂とは一線を画す、極めて理性的かつ愛情深い合意形成であったことが分かります。