蕎麦屋の看板文字「変体仮名」の正体|明治の廃止真相と五十音の読み方一覧の全体像を分かりやすくまとめてご紹介します。
街で見かける変体仮名には、特定の単語に好んで使われる定番の文字が存在します。国文学研究資料館や情報処理推進機構(IPA)の文字基盤データベースでも体系化されている主要な変体仮名と、街の看板で見かける代表例を整理しました。
街の看板・用例実際の表記字母(元の漢字)読み方と文化的背景蕎麦屋の看板「生𛁛𛁢」そ=「楚」、ば=「者」「生そば(きそば)」の意。江戸時代から続く蕎麦屋のシンボルとして全国で最も普及甘味処の看板「志る古」「志流古」し=「志」、こ=「古」または「期」「しるこ(汁粉)」。心意気や歴史を感じさせる雅やかな表記として定着鰻屋の暖簾「う奈ぎ」な=「奈」「うなぎ」。「奈」の崩し字が持つ曲線の優美さが鰻のしなやかな姿と調和老舗和菓子店「起よ満づ」き=「起」、よ=「与」、ま=「満」銘菓「きよみず」などの屋号。めでたい意味を持つ漢字の字母を意図的に採用酒蔵・料理屋「多可良」た=「多」、か=「可」、ら=「良」「たから(宝)」。縁起を担ぐ商業看板で多用される
2017年6月にリリースされた国際規格Unicode 10.0において、日本の変体仮名285文字が正式にコードポイント(U+1B000〜U+1B0FF、U+1B100〜U+1B12F)へ収録されました。例えば「い」の音だけでも、伊(U+1B007)や意(U+1B008)など複数の変体仮名がデジタル空間で一意に識別可能となっています。