ブラウン・セカール症候群の機序と症状|左右差が生じる理由と予後解説

ブラウン・セカール症候群の機序と症状|左右差が生じる理由と予後解説

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脊髄損傷を患った際、患者や医療者が最も注視するのが「将来的に再び歩くことができるのか」「自立した排泄機能を取り戻せるのか」というブラウン・セカール症候群の予後に関する現実的な見通しです。

日本脊髄障害医学会などの臨床統計データによると、脊髄損傷全体の中で純粋なブラウン・セカール症候群が占める割合は全体の約2%〜4%と決して高くありません。しかし、完全横断性損傷や前部脊髄症候群などの他の重篤な脊髄症候群と比較した場合、その神経機能回復率は際立って良好であることが実証されています。

病態分類主な障害部位と機序歩行機能の回復率(予後)臨床現場・編集部の評価ブラウン・セカール症候群脊髄の側方半切。外傷、腫瘍、血管障害、硬膜外血腫など。75%〜90%が自立歩行を再獲得非損傷側の運動機能が維持されているため、不全損傷の中でも最も予後良好な部類に属する。完全横断性脊髄損傷脊髄全幅の完全断裂。高エネルギー外傷、重度圧迫骨折など。3%未満(不可逆的麻痺)下位髄節の運動・感覚が完全消失。車椅子生活への環境適応と合併症管理が主目的となる。中心性脊髄損傷中心管周囲の灰白質損傷。高齢者の頸椎過伸展損傷に頻発。50%〜60%(下肢は回復しやすい)下肢の歩行能力は回復しやすいが、上肢・手指の巧緻運動障害が長期にわたって残存しやすい。前部脊髄症候群前脊髄動脈領域の虚血、前方からのヘルニア圧迫。10%〜20%(回復は極めて不良)後索(深部感覚)のみ保たれ、両側の運動麻痺と温痛覚脱失が生じるため極めて予後が厳しい。

多施設共同研究の追跡調査データによれば、ブラウン・セカール症候群を発症した患者の約8割が受傷後6カ月〜1年以内に補助具を用いた独歩または自立歩行を達成しています。また、排尿や排便をコントロールする膀胱直腸障害についても、初期には半数程度に見られるものの、片側の自律神経経路が温存されていることから、最終的に自己排尿を獲得できる確率は70%を超えます。

この高い回復率は、健側の脊髄組織が残存していることに加え、中枢神経の可塑性によって残された神経ネットワークが機能代償を果たすためであると神経内科の専門医らは分析しています。

森 瞳
著者

森 瞳

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