Q1:求人票に「固定残業代45時間分を含む」と書かれていれば、月45時間まではどれだけ残業させられても違法ではないのですか?
A1:固定残業代が設定されていること自体は直ちに違法ではありませんが、企業が無条件に残業を命じられるわけではありません。36協定の適法な締結と届出が不可欠であり、36協定が未締結であれば1分の残業でも違法です。また、実残業時間が45時間を下回った月でも固定残業代の全額を支払う義務があり、45時間を1分でも超えた場合は超過分の追加割増賃金を支払わなければ違法となります。
Q2:会社から「自己学習」という名目で定時後の作業を強いられています。これも労働時間に含まれますか?
A2:労働時間に含まれます。最高裁判所の判例上、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」を指し、形式的な名目が「勉強」「自己研鑽」であっても、業務上不可欠な作業であったり、事実上の強制・不利益処遇の示唆がある場合は使用者の指揮命令下にあるとみなされます。指示内容のメールや成果物の提出履歴を残しておくことで労働時間として立証可能です。
Q3:労働基準監督署に匿名で相談した場合、実際に調査に入ってくれますか?
A3:一般的な情報提供や相談であれば匿名でも受け付けてもらえますが、労基署が企業に対して強制力のある立入調査(臨検)や是正勧告を迅速に行うためには、実名での「申告」および具体的な客観的証拠(タイムカードの控え、PCログ、給与明細など)の提出が極めて有利に働きます。申告者の氏名を会社側に明かさないよう労基署に守秘を求めることも法令上認められています。