日常のコミュニケーションやレクリエーションとして親しまれているしりとりだが、そもそも「しりとり公式ルール」という絶対的な統一規格が存在するのかという点から検証を始めたい。結論から言えば、日本国内の言語競技団体や伝統的遊戯の普及組織において、標準的な基本規範は存在するものの、世界共通の単一統括連盟が定めた国際法規のようなものは存在しない。
伝統的な基本ルールにおいて「ん」で終わると負けとされる理由は極めて明快だ。日本語の五十音図には「ん」から始まる和語や標準的な漢語が存在しないため、次に続く単語を紡ぎ出せなくなり、ゲームが構造的に破綻してしまうからである。相手の手詰まりを誘発した時点で勝敗を決するというゲームデザイン上の合理性が、「ん=敗北」という強固な不文律を定着させた。
しかし、近年の知的ゲームシーンでは「相手が『ん』で終わる言葉を投げかけてきた際、次のプレイヤーが『ん』から始まる言葉を即答できればセーフ、あるいは攻守交替となる」という「んの返し方と理由」を巡るしりとり逆転ルールが浸透しつつある。言葉を継続させる知恵とボキャブラリーを競う観点からすれば、正当な単語を返せる限りゲームを続行させる方が知的エンターテインメントとしての完成度が高いという解釈だ。