緻密なメカニック設定と膨大な注釈で知られる士郎正宗氏ですが、なぜ作中に生々しい肉体描写やフェティシズムを盛り込んだのか。その士郎正宗氏の描写理由の根底には、サイバーパンク特有の「肉体の記号化」という哲学が存在します。
脳以外をすべて機械化した全身義体のサイボーグにとって、肉体とは取り替え可能なパーツに過ぎません。極限まで機能美を追求した女性型義体と、電脳空間で交わされる快楽を描くことで、「ゴースト(魂)とは何か」「性差や肉体の意味とは何か」という問いを読者に突きつけています。
士郎氏は後に『INTRON DEPOT(イントロン・デポ)』シリーズや『GALHOUND』など、圧倒的な画力で描かれた画集を数多く発表しており、士郎正宗氏のイラスト集の評判は国内外のアート界・アニメ界で極めて高く評価されています。メカニカルな硬質感としなやかな肉体美の融合は、単なるエロティシズムの枠を超えた唯一無二の作家性として確立されています。