MOVIX橋本は2002年7月13日、橋本駅南口・東側の複合商業施設「SING橋本(シング橋本)」の核テナントとしてオープンしました。運営母体は松竹グループの株式会社松竹マルチプレックスシアターズ(SMT)。9スクリーン・全1,710席を備え、全席スタジアムシートやペアシート、先進的な音響システムを導入し、相模原市北部における本格的マルチプレックスシアターの先駆けとして君臨しました。
しかし、開業から16年が経過した2018年8月19日の営業をもって完全閉館となりました。突然の発表に地元ファンからは驚きと惜しむ声が殺到しましたが、運営元の公式発表資料によると、主な要因は「定期建物賃貸借契約の満了」です。
商業施設の契約において、15〜20年の定期借地・定期借家契約が満期を迎える際、劇場の設備更新コスト(プロジェクターの4K・レーザー化、シート交換、防音改修など数億円規模の再投資)と将来的な収益予測が厳密に天秤にかけられます。当時、近隣の南大沢や海老名、さらには町田エリアとの競合激化に加え、橋本駅周辺の動線変化やリニア再開発に伴う将来設計が交錯した結果、契約延長を行わず閉館するという経営判断が下されました。
閉館当日の最終上映では、地元住民や映画ファンがロビーに集い、スタッフへの感謝の拍手が鳴り響く感動的なフィナーレとなりました。地域コミュニティに根ざした劇場文化を築き上げた功績は、今なお多くの人々の記憶に刻まれています。