二部式着物の最大の武器は、なんといっても着付けの圧倒的な手軽さです。一般的な一枚仕立ての着物では「腰紐を結び、おはしょりを整え、衿元を固定する」といった熟練の技が求められますが、二部式着物ならわずか3ステップで完了します。
基本の手順は、まず下半身に巻きスカート状の「下衣」を巻き、ウエストの紐を結びます。次に上半身の「上衣」を羽織り、胸元を合わせて紐を結ぶだけです。面倒なおはしょり作りが不要な設計になっているため、着崩れが起きてもトイレの個室で数秒あれば元通りに整えられます。
さらに帯の結び方にも工夫が凝らされています。本格的な名古屋帯や袋帯を合わせることも可能ですが、背負うだけで形が決まる「作り帯(ワンタッチ帯)」を併用すれば、帯結びの練習すら必要ありません。普段使いであれば半幅帯をくるりと巻くだけで、こなれた和の装いが即座に完成します。