日本医療機能評価機構などのヒヤリ・ハット事例報告では、毎年必ずといってよいほどフェジン 投与 インシデント 事例が報告されています。看護業務における日常的な「生食慣れ」が、致命的な判断ミスを招く典型例です。
病棟勤務の看護師コミュニティや手記に寄せられた証言を精査すると、多忙を極める現場のリアルな実態が浮かび上がります。
「新人の頃、先輩から『点滴の希釈といえば生食かブドウ糖だけど、糖尿の既往がある患者さんだから無意識に生食ボトルに混注してしまった』という同僚がいた。混注直後は濃い暗褐色で色の変化に気づきにくく、滴下開始直前に液の濁りと微細なモヤに気づいて間一髪で破棄した」(病棟看護師の手記より)
また、希釈ミスだけでなく「側管投与」に伴う事故も後を絶ちません。維持輸液(ソルデムや生理食塩液ライン)がすでにキープされている患者に対して、「点滴が入っているから」とそのまま三方活栓の側管からフェジンを投与してしまうケースです。三方活栓や延長チューブの内部で生食とフェジンが接触・混合し、ライン内で目に見える黒褐色のカス(凝集塊)が発生して閉塞、あるいはそのまま血管内へ押し流されてしまうリスクが存在します。
このため、臨床プロトコルにおいてフェジン 側管投与 禁止は絶対的なルールであり、他剤輸液ラインとの併用を避け、単独ラインを確保するか、一度メイン輸液を完全にフラッシュ・遮断したうえで投与する手順が定められています。