キッチンの配置におけるセオリーも一変した。壁に向かって調理するスタイルや、ただリビングを見渡すアイランド型ではなく、水平線と平行に一直線に伸びる超ロングカウンターが現在の主流だ。
天板には、水滴や光の乱反射を美しく見せるダークトーンの天然クォーツストーンや、水深の深い海を思わせる深い藍色のセラミック材が好んで使われる。包丁を握る料理人の視線の先には、窓越しに広がる太平洋や東京湾の海面と、夜空に浮かぶ月だけが存在する。料理を創る行為そのものが、自然の移ろいと呼応するひとつのパフォーマンスアートへと姿を変えたのだ。