果糖ぶどう糖液糖が「白砂糖以上に体に悪い」と警戒される決定的な理由は、主成分である「果糖(フルクトース)」特有の代謝ルートにあります。
ブドウ糖は摂取されると血流に乗って全身の筋肉や各臓器に運ばれ、エネルギーとして即座に消費されます。このとき膵臓からインスリンが分泌されて血糖値がコントロールされます。これに対し、果糖は血中へほとんど放出されず、摂取量の約80%以上が直接「肝臓」へ直行して処理されます。
肝臓には「エネルギーが足りているときは糖の取り込みを止める」というブレーキ機構が果糖に対して存在しません。大量の果糖が一気に肝臓へ流れ込むと、肝臓は余剰分をすべて中性脂肪(トリグリセリド)へと作り替えます。その結果、お酒を飲まない人でも肝臓に脂肪が病的に蓄積する「非アルコール性脂肪性肝疾患(MASLD/旧NAFLD)」を引き起こす最大の要因になるのです。
さらに、肝臓に脂肪が沈着すると、肝細胞がインスリンの指令を受け付けなくなるインスリン抵抗性が生じます。膵臓は血糖値を下げようと過剰にインスリンを分泌し続け、やがて疲弊して2型糖尿病への移行を強力に加速させます。