離島の宿における最大の懸念点になりがちなのが「食事のクオリティ」です。本土から船で食材を運ばなければならない物流のハンディキャップを、熊野別邸 中の島は地域の強固な仕入れネットワークで見事にアドバンテージへと昇華させています。
夕食が提供されるメインダイニング「熊野ダイニング 潮騒」では、地元・勝浦漁港で水揚げされた「生マグロ」が主役を務めます。冷凍を一切通さない近海延縄船の生マグロは、もっちりとした独特の吸い付くような食感と、鉄分を含んだ濃厚な旨味が際立ちます。一般的な温泉会席で出される解凍マグロとは次元が異なる一皿です。
さらに、紀州のブランド和牛である「熊野牛」の陶板焼きやステーキが献立を固めます。サシの脂が軽やかで、口に含むと赤身の芳醇な香りが広がる仕上がり。夕食全体の構成は、伝統的な日本料理の技法を守りつつ、紀州特産の柑橘や山椒をアクセントに利かせた現代的なモダン会席に仕上がっており、旅慣れた食通のブログやSNSレビューでも「夕食の満足度が予想を遥かに超えていた」という声が多数を占めています。
朝食についても抜かりはありません。勝浦港直送の干物を炭火の香りで焼き上げ、マグロの漬けや茶粥など、和歌山の食文化を余すところなく堪能できる和定食(または時期に応じたハーフビュッフェ)が用意され、朝の活力を見事に満たしてくれます。