蘭の花が終わったら捨てるのはNg!二番花と翌年開花を導く手入れ術

蘭の花が終わったら捨てるのはNg!二番花と翌年開花を導く手入れ術

蘭の花が終わったら捨てるのはNg!二番花と翌年開花を導く手入れ術にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

ネット上の掲示板やSNSでは「自然に枯れ落ちるまで花茎を切らずに放置しても大丈夫」という書き込みが散見されます。しかし、洋蘭専門の生産農家や学術関係者はこの放置リスクに対して明確に警鐘を鳴らしています。花茎を切らないとどうなるかの真相は、植物生理学の観点から見れば極めて明白です。 花が終わった後も花茎が緑色を保っている間、植物はそこへ水分と養分を送り続けます。受粉していない花茎をいつまでも維持することは、株にとって「底の抜けたバケツに水を注ぐ」ような無駄な消耗にほかなりません。その結果、翌春に出るはずの新しい本葉の展開が遅れ、光合成能力が低下して株全体が年々小さくなっていく「作落ち(さくおち)」と呼ばれる衰退現象を引き起こします。 さらに注意すべきは、「蘭」という総称でひとくくりにされがちな剪定ルールの違いです。胡蝶蘭(ファレノプシス)は花茎を切り戻すのが正解ですが、同じく贈答用として人気の高いデンドロビウムの場合、花がついた太い茎(バルブ)は養分を蓄える貯蔵タンクの役割を果たしています。デンドロビウムのバルブを胡蝶蘭と同じ感覚で根元から切り落としてしまうと、栄養補給路を絶たれた株が急速に枯死します。手元の蘭が「胡蝶蘭」なのか「デンドロビウム」や「シンビジウム」なのかを識別したうえで刃を入れることが、失敗を避ける絶対条件です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。