スクリーンの枠にはまりきらない規格外の存在感。名優・梅宮辰夫の真実の姿を追い求めていくと、そこには公私ともに破天荒でありながら、驚くほど几帳面で誠実な一人の男の素顔が浮かび上がってくる。若い頃から夜の街で浮名を流し、豪快な伝説には事欠かなかったが、仕事に対しては一切の妥協を許さない真摯な姿勢を貫いていた。
現場を共にしたスタッフたちは口を揃えて「準備の徹底ぶりが凄まじかった」と語る。セリフの暗記はもちろん、共演者の立ち位置やカメラワークまで頭に叩き込んで現場に入っていたという。豪放磊落なパブリックイメージは、綿密な計算とたゆまぬ努力の上に成り立っていたのだ。