五ヱ門を語る上で欠かせないのが、重厚な武士の魂を吹き込んできたレジェンド声優たちの存在です。テレビアニメ『ルパン三世 PART1』の初期(第5話〜第7話)では大塚周夫が声を担当し、荒々しく血気盛んな若き剣客像を提示しました。
その後、第2シリーズ(赤ジャケット版)以降、約30年以上にわたり五ヱ門のパブリックイメージを決定づけたのが井上真樹夫です。井上真樹夫の経歴は『巨人の星』の花形満や『宇宙海賊キャプテンハーロック』のハーロック役など、ストイックかつ気品ある二枚目役で知られます。当時の特番インタビューや回想録において井上は、「単なる侍ではなく、どこか哀愁と浮世離れしたユーモアを漂わせる声のトーンを意識した」と語っており、その低音で艶のある芝居が「五ヱ門=ニヒルな達人」という絶対的な基盤を築き上げました。
2011年のキャスト刷新に伴い、大役を引き継いだのが浪川大輔です。交代当初は往年のファンからの比較やプレッシャーに晒されたものの、ルパン一味としての経験を重ねるにつれ、浪川大輔の評価は確固たるものへと進化しました。特にスピンオフ映画『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』で見せた、未熟さゆえの挫折と血生臭い覚醒を演じ切った演技は、「井上真樹夫への敬意を払いつつ、現代的な泥臭さと熱量を宿した新世代の五ヱ門」として批評家・ファン双方から絶賛を浴びています。