シフォンケーキづくりにおいて、グルテンによる骨格形成に頼れない米粉は、長年「膨らみにくく、冷めると中央が大きく凹みやすい」という致命的な課題を抱えていた。型から外した瞬間に縮んでしまう失敗に、頭を悩ませてきたお菓子作りファンも少なくないだろう。
この難題を解決したのが、卵黄と油脂の乳化プロセスに対する最新の科学的アプローチだ。新潟県の農業試験場と連携する和洋菓子メーカーの共同研究チームは、水分の温度と米粉を加えるタイミングを精密に数値化。さらに、メレンゲの泡立て速度を微段階で調整する新手法を開発した。これにより、型の上端までダイナミックに膨らみ上がり、焼き上がり後も高さと弾力を完璧にキープする構造が完成したのだ。