後期日程の廃止と推薦への移行は、当時の受験界隈に激震を走らせました。大手予備校関係者の手記や当時の受験生コミュニティの記録を振り返ると、そこには賛否入り混じるリアルな現場の声が記録されています。
「一度の失敗ですべてが終わる。東大文一志望者にとって後期日程は、どんなに模試でA判定を出していても当日の体調不良や1問のミスで散った際の唯一の命綱だった」――大手予備校の元進学指導担当者は当時の特番取材でそう振り返っています。一般受験生にとっては、純粋な学力競争による「一発逆転のセーフティネット」が奪われた喪失感は極めて大きなものでした。
一方で、大学教授陣や研究室の現場からは、全く異なる評価が聞こえてきます。「学校推薦型選抜で入学してきた学生は、高校時代から明確な研究テーマや知的関心を持っているため、学部後半から大学院にかけての研究の伸び代が凄まじい」「ペーパーの点数は高いが指示待ちになりがちな一般選抜組に、ポジティブな刺激を与えている」という現場観察の報告が数多く寄せられています。かつて懸念された「推薦組の学力低下」という批判は、共通テストでの高得点要求(概ね8割〜8.5割以上のボーダー)によって完全に払拭されました。