かつて高級レストランでシャンパングラスを傾けていた男が、いま自ら厨房の近くに立ち、客席に頭を下げている。石田純一が近年注力してきたのが飲食業界への本格的な参入だ。冷麺店や焼き肉店など、自身が納得のいく味を追求した店舗運営に乗り出し、現場に顔を出すことも珍しくない。
「芸能人の名前だけを貸した店」という世間の冷ややかな色眼鏡を吹き飛ばすかのように、彼は店舗の清掃や仕込み、接客にまで熱心に関わっている。時には常連客とグラスを交わし、往年の裏話を気さくに披露する。プライドを捨てて汗を流すその泥臭い姿に、かつてのアンチすらもファンへと変わっていく。事業の浮き沈みを経験しながらも、現場主義を貫く姿勢は、彼がこれまでの人生で培ってきた最大の武器といえる。