両者の境界線を引く最大の要素は、骨格の陰影と目元の情報量にある。すっきりと整った輪郭、涼しげな一重や奥二重、主張しすぎない鼻筋で構成されるのが醤油顔の美学だ。過度な主張を削ぎ落としたミニマリズムの極致とも言え、見る者に清潔感と親しみやすさを抱かせる。この系統の筆頭格として日本の芸能界で長年支持を集めるのが、涼やかな目元と繊細な透明感で観客を魅了する坂口健太郎だ。端正な顔立ちの中に宿る静けさが、役柄のリアリティを際立たせる。
対するソース顔は、深みのある彫り、くっきりとした平行二重、そして堂々とした骨格によって圧倒的な存在感を放つ。光と影のコントラストが強く、一度見たら忘れられないドラマ性を顔全体に帯びているのが特徴だ。その象徴的存在といえば阿部寛や長瀬智也が挙げられる。濃密な情熱と野性味を感じさせるその造形は、舞台やスクリーンの奥からでも視線を奪う力強さに満ちている。