3331 Arts Chiyodaの営業終了が発表された際、ネット上では「コロナ禍による赤字倒産ではないか」「集客不振による撤退か」といった憶測が一部で飛び交いました。しかし、公的記録および運営主体の発表資料を精査すると、そうした噂が事実無根であることが明白になります。
同施設が閉館を迎えた最大の理由は、千代田区と運営会社である合同会社コマンドAとの間で締結されていた「定期建物賃貸借契約の満了」です。2010年6月のグランドオープン時に設定された契約期間は約13年間であり、当初から2023年3月末をもって一区切りを迎える取り決めとなっていました。
さらに決定的な要因となったのが、建物の老朽化とそれに伴う安全基準の再検討です。施設として使用されていた「旧千代田区立練成中学校」の校舎は1960〜1970年代に竣工した建築物であり、耐震性能や設備インフラの抜本的な更新が不可避の段階に達していました。千代田区は建物を延命・再生させるため、「旧練成中学校 改修計画」を策定。施設全体を一時閉鎖し、大規模な改修工事に着手する判断を下したのです。
つまり、3331 Arts Chiyodaの閉館は経営の挫折によるものではなく、「公有財産の定期契約満了」と「自治体によるインフラ改修事業」という法制上・構造上の必然的プロセスでした。