言葉の起源を紐解くと、意外な歴史的背景が浮き彫りになる。かつて明治時代に内閣制度が創設された際、当時の人々に新しい制度を理解させるため中国の古語や洋学の知識を取り入れて生み出されたのが「首相」や「総理」といった言葉だった。NHKスペシャルをはじめとする歴史検証番組などでも紹介されてきたように、戦前の帝国議会期から言葉のニュアンスは時代と共に揺れ動いてきた。
終戦後、新憲法のもとで「内閣総理大臣」が唯一の法的名称と指定されてからも、庶民の間では親しみを込めた「総理」や、報道が普及させた「首相」がそれぞれの文脈で生き残った。言葉が時代を映す鏡であることを物語る好例といえるだろう。