現代の受験生にとって最大の敵は、手元にあるスマートフォンやYouTubeなどの際限のないデジタルコンテンツかもしれない。集中力が細切れに寸断される環境下で、深い思考力を要する高度な学問を修めるのは至難の業だ。これに対し、規律ある共同生活を送る全寮制進学校という形態は、ある種の強力な「デジタルデトックス空間」として機能している。
夜間の自習時間には全員が机に向かい、互いの存在を感じながらペンを走らせる。そこには孤軍奮闘する受験勉強特有の孤独感はなく、適度な緊張感と連帯感が共存する。規則正しい食事と睡眠、徹底した生活リズムの確立が、結果として盤石なメンタルと学力の土台を築き上げる。自律が難しい思春期の時期に、余計な誘惑を排除した環境で過ごす数年間は、生徒にとって生涯の財産となる。