歴史の影に、旨いものあり。かつてキリシタン大名として知られる大友宗麟が城下町としての礎を築いた街、大分県大分市。戦後の復興期から高度経済成長期へと向かう昭和の熱気の中で、労働者たちの手軽な栄養源として考案されたのが始まりとされる。近隣に位置する府内城跡の周辺には、当時数多くの屋台や小さな食堂がひしめき合っていた。
手に入りやすい小麦粉に、地元で採れた野菜や魚介の端切れを混ぜて鉄板で焼き上げた素朴な料理。それが時代を経て洗練され、現在の姿へと昇華していった。歴史の変遷とともに姿を変えながらも、地域の人々の暮らしに寄り添い続けてきたストーリーが、ひとくち食べた時の深い味わいに拍車をかけている。