シュートを放った瞬間、ボールが無情にもバックリムに直撃して跳ね返ったり、リングの手前に弾かれたりする光景は、誰もが一度は経験するフラストレーションです。なぜあなたのボールはリングに嫌われてしまうのか。そこには感覚論では片付けられない、明確な力学的理由が存在します。
米国の高度トラッキングシステム「Second Spectrum」などのデータ解析によると、シュートが入る確率を左右する決定的な要素は「ボールの入射角(Entry Angle)」です。バスケットボールのリングの直径は45cm、公式球(7号球)の直径は約24.5cmあります。真上(90度)から見下ろしたとき、リングの空間にはボールが2個近く入る余裕がありますが、放物線が低く入射角が35度程度まで浅くなると、ボールから見たリングの有効開口面積は約50%以下にまで縮小します。入射角が43度〜47度の適正放物線を描けない限り、リングは物理的にボールを拒絶する構造になっているのです。
そして、この「浅い放物線」を生み出す元凶こそが、多くのプレーヤーに共通するNGフォームです。バスケシュートが入らない決定的な理由の現場調査において、指導者たちが口を揃えて指摘するのが以下の3つの悪癖です。
第1に、ボールを構えた際に胸元や頭上に固定したまま手先だけで押し出す「ディップ(沈み込みによる反動)の欠如」。第2に、利き手とは逆の手(ガイドハンド)の親指でボールを押し出してしまう「サムフリックによる不要な回転ブレ」。そして第3に、ジャンプの頂点で静止してから腕を振る「エナジートランスファーの断絶」です。これらが複合することでボールに十分なバックスピンがかからず、弾道がブレてリングに弾かれる結果を招きます。