インターネット上の歌詞考察コミュニティでは長年、「実はこの曲は略奪愛や三角関係を描いたドロドロの歌なのではないか」という議論が巻き起こることがあります。
その根拠として挙げられるのが、「三角の目をした羽ある天使」や「疲れて眠るあなたを想う」といったフレーズです。相手にはすでに別のパートナーがいるからこそ、自分は同じ空間で花火を見ることすらできず、部屋で妄想に耽るしかないのではないか、という解釈です。
しかし、aiko本人の過去の語り口や楽曲全体の文脈を検証すると、特定の不倫や略奪愛を前提にしたプロットというよりは、「片思い相手の生活圏に自分が入れないもどかしさ」を抽象化したものと捉えるのが自然です。天使の目が「三角」であるのは、キューピッドのような純粋な祝福ではなく、自分を苦しめる意地悪な存在として見えている主人公の主観を表しています。邪推を交えなくとも、片思いの純度が高すぎるがゆえの狂気的な感情がそこに宿っています。