猫といえば、高い場所から軽やかに着地し、俊敏に獲物を捕らえる高い身体能力の代名詞だ。それなのになぜ、あからさまな「残念すぎるネコ」がこれほど多発するのか。その謎を解き明かす鍵は、動物行動学にある。
専門家によると、猫の不器用に見える行動の多くは「目測の誤り」と「瞬間的な集中力の散漫」に起因するという。猫の視力は動体視力に優れる反面、至近距離のピント合わせや静止した物体との距離感測定には個体差がある。また、目前の興味に夢中になるあまり、自身の身体のサイズ感をすっかり失念してしまうことも珍しくない。
「ジャンプ失敗直後に何事もなかったかのように毛づくろいを始める行動は、動物行動学で『転嫁行動』や『葛藤行動』と呼ばれます」と専門家は解説する。失敗した照れ隠しのような人間味あふれる素振りこそが、観る者の保護欲と親近感を強烈に刺激しているのだ。