政治と宗教団体の癒着を長年単独で追い続けてきた鈴木エイト氏の仕事は、調査報道ジャーナリズムが果たすべき本来の役割を社会に再認識させた。誰もが口をつぐんでいた権力構造の闇に切り込み、綿密な取材で事実を積み上げる姿勢が、事態を動かす原動力となった。
同時に、宗教社会学の知見からも新たな警鐘が鳴らされている。ネット社会においてカルトはより分散化・ステルス化し、陰謀論や疑似科学と結びついた「カルト的コミュニティ」が急速に増殖しているのだ。巨大な教団組織だけでなく、小規模なインフルエンサー主導の集団であっても、閉鎖性と絶対的忠誠を求める性質があれば同様の被害を生み出す。観察の視点はより多角化されなければならない。