シリーズを通して最大の転換点となり、ファンの間で長年議論の的となってきたのが、第1期終盤における身辺警護課長・村田五郎(上川隆也)の死亡理由と、第2期におけるキャスト陣の再編です。
第1期第8話から最終話にかけて描かれた村田の殉職は、当時インターネット上でも「なぜ課長を退場させたのか」「事務所とのトラブルやスケジュールの都合による降板ではないか」といった疑念を呼びました。しかし、当時の制作スタッフへの取材やドラマ構造の分析から浮かび上がるのは、脚本家・井上由美子が仕掛けた「民間警備員が直面する理不尽な現実と誇り」を極限まで描き切るための必然性です。
物語において、村田は元厚生労働大臣・立原愛子(石田ゆり子)を狙った発砲事件において、自らの体を盾にして凶弾を受け命を落としました。さらに警察権力は、発砲現場にいた警視庁SP・落合義理(江口洋介)の不手際を隠蔽するため、村田が「民間人のくせに無謀に飛び出し、現場を混乱させた」という偽りの筋書きを公表。島崎たちは亡き上司の汚名をそそぎ、民間ボディーガードの尊厳を取り戻すために国家権力と対峙することになります。つまり、上川隆也の退場は役者個人の事情による降板ではなく、クライマックスの起爆剤として最初から緻密に計算された演出でした。
また、第2期で立原愛子(石田ゆり子)や警察関係者の出番が大幅に整理された点についても、同様にクリアな理由が存在します。第1期は「警察SP vs 民間警備員」という対立構造と国家レベルの政治陰謀が軸でしたが、第2期は「クライアント個人に徹底的に寄り添う小さな警護」へとコンセプトが刷新されたためです。物語の舞台を民間企業同士の買収劇と私設事務所の独立奮闘劇へとシフトさせた結果としてのキャスト選考であり、ネットで囁かれたような「確執による降板」という言説は事実無根といえます。