締めの挨拶のクライマックスを飾るのが「手締め」です。手締めには三本締め、一本締め、一丁締め(関東一本締め)といった複数の形式があり、式の格式や宴会の規模によって使い分ける必要があります。
しかし現場では、「それでは一本締めで…よーお、パン!」と、一丁締めと一本締めを混同して掛け声をかけてしまい、周囲の手拍子がバラバラになって気まずい空気が流れる光景が後を絶ちません。それぞれの違いと正しい所作を整理した一覧表を確認しておきましょう。
手締めの基本構造は、「三・三・三・一」のリズムにあります。「三拍」が3回で「九(苦)」となり、最後に「一拍」を加えることで漢字の「丸」になり、物事が丸く収まるという意味が込められています。一本締めのマナーとやり方を実践する際は、この伝統的な意味合いを理解した上で、全員が揃って音を出せるよう堂々と音頭を取りましょう。
一方、居酒屋のオープンスペースなど周囲に他のお客さんが大勢いる環境では、大きな音を何度も鳴らす三本締めや一本締めはマナー違反になりかねません。そうした配慮が必要な場では、一丁締めの正しい手順を選択し、静かに「パン」と一拍だけ鳴らして会を収めるのが現代のスマートな処世術です。