世紀の変わり目に世界を熱狂させたオスメントですが、2010年代以降、公の場に姿を現すたびにネット上では「激変」「太りすぎ」といったセンセーショナルな声が飛び交うようになりました。金髪の美少年だった面影は、恰幅のよい体躯と顔中を覆う豊かな髭へと移り変わり、初見の観客が本人だと気づかないほどのビジュアル変化を遂げていたためです。
なぜ彼はこれほどまでに姿を変えたのでしょうか。一部のタブロイド紙が書き立てたような「自堕落な生活による激太り」という見方は、事実とは大きく異なります。その真相は、名門ニューヨーク大学のティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツへの進学と、それに伴う本格的な演劇への回帰にありました。
オスメントはかつて米演劇専門誌のインタビューで、「子役として型にはめられたイメージから抜け出すためには、一度スクリーンの外に出て、古典演劇の基礎と自らの身体性を根本から鍛え直す時間が必要だった」と述懐しています。多くの天才子役が、思春期以降も「過去の可愛らしさ」を保とうと苦悩し、拒食症や薬物依存といった悲劇的な結末を迎えるなか、彼はあえて外見の美しさに執着することを捨て去りました。自らの肉体をキャラクター俳優としての「器」へと改造し、不気味さや哀愁、コメディのリズムを自在に表現できる存在へと脱皮を図ったのです。