額面給与と給付金の支給率だけを単純に比較すると、大きな認識のズレが生じます。公表されている計算式の基本は、休業開始前6カ月間の賃金(賞与を除く総支給額)を180で除した「休業開始時賃金日額」に支給日数を掛け、最初の180日間は67%、181日目以降は50%を乗じる仕組みです。額面ベースで見れば「3分の1が消える」と感じるのは当然です。
ところが、給付金を受け取った当事者から「思ったより減っていない」「むしろ生活水準を維持できている」という声が相次ぐ背景には、育児休業手取り額の計算における控除ゼロの特例が存在します。通常、給与からは健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税が差し引かれ、手取り額は総支給の約75〜80%程度まで圧縮されています。一方、育児休業給付金は法律上「非課税所得」として扱われ、これらの天引きが一切発生しません。
その結果、手取り同士を比較した育休給付金手取り8割の真相が数字として立証されます。額面賃金30万円の会社員の場合、通常の手取りは約24万円前後ですが、育休当初6カ月間の給付金支給額は約20万1,000円となります。天引き後の純粋な手元資金で比較すると、通常手取りの約83%が口座に振り込まれる計算となり、これが「実質8割維持」と言われる決定的な根拠です。
さらに育児休業給付金2026年最新の枠組みでは、男性の育児休業取得を後押しする「出生後休業支援給付」が標準運用されています。子の出生直後の一定期間内に両親双方が育休を取得するなどの要件を満たせば、従来の67%に13%相当が上乗せ給付され、給付率は合計80%に跳ね上がります。社会保険料免除と非課税が掛け合わさることで、最大28日間にわたり「休業前手取りの100%相当」が保障される環境が整っています。