借家や賃貸マンションに住んでいる場合、「壁に穴を開けられない」という原状回復義務が最大の壁となります。しかし、適切な手法をとれば賃貸物件でも配管カバーの恩恵を受けることは可能です。
賃貸住宅で穴あけを回避するアプローチ
室外カバーを固定する際、通常は外壁にビス穴を開けてプラグを打ち込みます。賃貸でこれを避けるには、以下の方法が現場で採用されます。
- 室外側:ベランダの手すり子や既存の配管ラックに対し、耐候性結束バンド(インシュロック)や専用サドルを用いて固定する。壁面への穴あけをゼロに抑えられます。
- 室内側:ビス止めを行わず、強力な超低汚染型両面テープや、既存の配管用ウォールコーナーの開口部を利用した挟み込み固定を採用する。退去時にはシール剥がし剤で綺麗に撤去可能です。
配管カバーのDIY取り付けに潜む重大リスク
部材がホームセンターや通販で手軽に入手できるため、「自分でカバーを取り付けたい」と考えるDIYユーザーが増加しています。しかし、既設エアコンの配管カバーDIYは極めて事故率が高い作業です。
エアコンの冷媒配管(銅管)は、長期間冷媒ガスと熱にさらされることで「焼きなまし効果」が失われ、硬化しています。カバーのベースプレートを裏側に通そうとして無理に配管を持ち上げたり曲げたりした瞬間、銅管が座屈(折損)するか、接続部分(フレア部)に亀裂が入り、冷媒ガス(フロン類)が一気に大気中へ噴出します。
ガスが抜けるとエアコンは一切冷えなくなり、ガス充填と配管修理で3万円〜5万円以上の予期せぬ修繕費用が発生します。配管を動かす必要がある後付け作業は、配管を熟知したプロに委託するのが安全です。