羽衣エリアの魅力は、近代的な駅前再開発だけに留まらない。駅から少し足を延ばせば、明治から昭和初期にかけて政財界人や文化人が別荘を構えた高級住宅街の歴史的風情が色濃く残っている。隣接する名勝「浜寺公園」の広大な松林や水辺の景観は、都市の喧騒を忘れさせる憩いの場として住民に愛され続けてきた。
開発が進む一方で、歴史的建造物の保全や景観ガイドラインの策定など、街の「アイデンティティ」を守る取り組みも並行して行われている。コンクリートと緑が調和する街並みづくりは、無機質な再開発とは一線を画す羽衣独自のブランド価値を形作っている。休日に歴史散策を楽しむ観光客の姿も増えており、地域の文化資源としての側面も再評価されている。