カンパニュラ(Campanula)という学名は、ラテン語で「小さな鐘」を意味する「campana」に由来します。そして、この花に「感謝」「誠実」「節操」という美徳の花言葉が与えられた根拠は、古代ギリシャ神話に登場する美しいニンフ(精霊)「カンパニュール」の忠義にまつわる伝説にあります。
神話によると、カンパニュールはオリンポスの神々が大切にしていた「黄金のリンゴ」が実る果樹園の番人を務めていました。ある日、果樹園に邪悪な侵入者が現れた際、彼女は持っていた銀の鈴を激しく鳴らし、全軍に危険を知らせました。しかし、鈴の音に気付いた敵の手刃にかかり、カンパニュールは救援部隊が到着する前に尊い命を落としてしまいます。
果樹園を守り抜いた彼女の勇敢さと忠誠心に深く心を打たれた花の女神フローラは、彼女の死を悼み、その亡骸を鈴の形をした美しい花へと変えました。これがカンパニュラの始まりとされています。このエピソードから、自らの使命を最後まで貫いた姿勢を称えて「誠実」「節操」「感謝」という花言葉が誕生しました。命を賭して役目を果たしたという物語の悲壮感が、巡り巡って現代の受け手に切なさを感じさせる要因となっています。