江藤祐樹の行動を読み解く上で最大の鍵となるのが、502号室の赤池美里の姑である赤池幸子との深い関係です。美里と吾朗の夫婦が惨殺された赤池家殺人事件の以前から、江藤はなぜか幸子に異常なほど親身に接し、美里から疎まれていた幸子の話し相手や車椅子の介助を甲斐甲斐しく引き受けていました。
事件後、施設に入居した幸子の元へ足繁く通い続けたのも江藤でした。警察や周囲の住民からは「心優しい好青年」と見られていましたが、その真の狙いは赤池家が保有する莫大な資産でした。作中で明かされたキーワード「サンダーソン資材」は、幸子の亡き夫が関係していた有力企業であり、幸子はその広大な土地や権利関係に紐づく巨額の資産を握っていたのです。
Huluオリジナルストーリー『扉の向こう』404号室編では、江藤の本性が赤裸々に描かれました。江藤はマンションの住民たちを自身の事業に役立つかどうかでランク付けし、中でも莫大な富を持つ幸子を「最大のターゲット」として定めていました。幸子の好物である手作りの料理を差し入れ、認知症のふりをする幸子の機嫌を取り、自作のGPSアプリを幸子の身の回りに仕込むことで、常にその動向を完全に把握しようとしていたのです。