マーケットが激しく揺れ動いた背景には、単一の材料ではなく、複数の金融イベントが連鎖した「複合ショック」が存在します。その震源地となったのが、日銀金融政策決定会合利上げ動向をめぐる中央銀行と市場との対話のギャップです。政策金利が段階的に引き上げられる局面において、市場は政策金利0.75%〜1.0%水準への到達ペースを急速に織り込み始めました。
この金利見通しの急激な変化は、外国為替市場にダイレクトに波及しました。為替相場ドル円リアルタイムチャートでは、長年積み上がっていた円キャリー取引の巻き戻しが一気に加速し、短期間で1ドル=10円以上の円高・ドル安方向への振れ幅を記録。輸出関連株を中心とする日経平均株価の急落を招くトリガーとなりました。当時、兜町の証券関係者は「アルゴリズム取引が為替の閾値(しきいち)ブレイクを感知し、機械的な先物売りが雪崩を打った」と証言しています。
さらに拍車をかけたのが、海外マーケット最新動向における米国ハイテク株の調整と、中東をはじめとする地政学リスクの再燃です。米連邦準備制度理事会(FRB)の金利舵取りと日銀のタカ派姿勢が交錯した結果、グローバルマネーのリスクオフ姿勢が鮮明化しました。日経平均株価が一日のうちに1,000円超の乱高下を演じる局面では、個人投資家がパニック的な持ち高整理に追われる一方、海外ヘッジファンドが割安圏に入った優良銘柄を淡々と拾い上げるという二極化の構図が浮き彫りとなりました。