細木数子と島倉千代子の絶縁真相|巨額借金と興行権の愛憎劇を総括

細木数子と島倉千代子の絶縁真相|巨額借金と興行権の愛憎劇を総括

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ネット上や一部の週刊誌では「二人は晩年に極秘裏に和解していたのではないか」という憶測が度々浮上します。しかし、当時の所属レコード会社関係者や親族の証言を突き合わせると、公私を問わず生前の直接的な和解は存在しなかったというのが揺るがぬ事実です。

2013年11月8日、島倉千代子さんが亡くなった際、細木数子さんは報道各社に対して以下のような追悼コメントを発表しました。

「千代ちゃんは本当に純粋で、人を信じやすくて損ばかりした人だった。私と喧嘩別れみたいになってしまったけれど、あの歌声は唯一無二だった。冥福を祈るばかりです」

この言葉に滲み出ていたのは、憎悪ではなく、あまりにも不器用だったスターへの哀惜の念でした。島倉さん自身も生前の手記や親しい知人への吐露の中で、「あの時、細木さんが間に入ってくれなければ命がなかったのは本当のこと。ただ、あのやり方にはどうしてもついていけなかった」と語っており、細木さんの救済行動そのものを全否定していたわけではありませんでした。

二人の関係は、単純な「善人と悪人」「被害者と加害者」という二元論では到底割り切れません。弱肉強食の昭和芸能界において、裏の力を使ってでもスターを守ろうとした女傑と、どこまでも人を信じすぎて騙され続けた純真無垢な歌姫。互いの生存戦略が根本から相容れなかったがゆえの悲劇だったといえます。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。