平野のデザインの特徴は、日本の伝統的な木造建築の美しさを残しながら、最先端のIoT技術をステルス(目立たない形)で組み込む点にある。築100年を超える古民家の梁や柱はそのままに、壁面には超薄型の断熱材とセンサーが埋め込まれている。
「古いものを壊す必要はありません。むしろ、先人の知恵が詰まった構造こそが、最新の環境テクノロジーを最も効率よく機能させる器になるのです」と平野は語る。室内環境はAIによって自動制御され、豪雪地帯であっても最小限の電力で快適な室温が保たれる。この「スマート空き家」の登場により、冬期の過酷な生活環境を理由に敬遠されていた雪国への移住ハードルが劇的に下がった。