昨今の治安情勢を大きく揺るがしているのが、トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)と呼ばれる新たな犯罪形態だ。従来の暴力団組織のような強固な縦社会ではなく、SNSを通じて離合集散を繰り返すこの集団は、その実態の不透明さゆえに警察当局の追跡を困難にしてきた。
日本中を震撼させたルフィ事件は、その冷酷な構造を白日の下に晒した。主犯格は東南アジアなどの海外リゾート地や治外法権的なエリアに拠点を構え、日本国内にいるかけ子たちを完全に遠隔操作する。国内のかけ子アジトも短期契約のマンスリーマンションや民泊を転々とし、数週間単位で拠点をスクラップ・アンド・ビルドする。現場の人間同士すら本名を知らず、お互いの素性を知らぬまま犯罪行為に手を染めるシステムが完成している。