鳥越俊太郎氏を語るうえで避けて通れないのが、壮絶を極めた鳥越俊太郎のがん闘病の歴史です。彼が初めてがんと対峙したのは2005年、65歳の時でした。直腸がん(ステージ2)の告知を受け、内視鏡手術および開腹手術を経験したことを契機に、彼は自らの病を包み隠さず公表する道を選びました。
しかし、闘病はそこで終わりませんでした。2007年には肺への転移、2009年には肝臓への転移、さらに肺への再転移が相次いで判明。遠隔転移を伴うこの病態は、臨床医学上いわゆるがんステージ4生還の事例として数えられる極めて過酷な状況でした。合計4回に及ぶ大手術を受けながらも、そのたびに驚異的な生命力でリハビリを乗り越え、現場復帰を果たした姿は多くの同世代がんサバイバーに強烈な希望を与えました。
当時の特番インタビューや自著・手記で語られた「死を意識した瞬間、日常の一秒一秒が奇跡に思えた」という生の告白は、単なる医療ドキュメンタリーの枠を超え、多くの読者に深い感銘を与えました。鳥越俊太郎の健康状態は、現在も定期的な検査を受けつつコントロールされており、大病を経験した身として年齢相応の体調維持に努めていることが伺えます。