秀岳館高校の名を全国的な激震とともに知らしめることになったのが、2022年4月に発生したサッカー部暴行騒動です。発端は、コーチを務めていた男性教員が生徒に対して激しい暴力(足蹴りや殴打)を加える様子を捉えた動画が、SNS上に流出したことでした。熊本県警が暴行容疑で捜査に乗り出す事態へと即座に発展し、学校教育の現場で起きた明確な暴力行為として世論の強い批判を浴びました。
しかし、事態をより悪化させたのは、その直後の学校側の対応でした。サッカー部公式SNSに突如として部員11名が顔と実名を晒した状態で並び、「世間をお騒がせして申し訳ありませんでした」「コーチの暴力は日常的なものではありません」などと語る釈明動画が投稿されたのです。この不可解な行動に対し、教育関係者やSNS上からは「未成年の被害生徒を防波堤にしている」「大人による隠蔽の強要ではないか」と怒りの声が爆発しました。
その後の第三者調査やメディアの追及により、当時サッカー部を率いていた段原一詞総監督が動画の撮影・投稿を主導していた実態が露呈。民放の情報番組に出演した総監督の発言が二転三転したことも拍車をかけ、学校法人側は当該コーチの懲戒解雇に加え、段原総監督の役職停止・退任を発表せざるを得なくなりました。絶対的な権力構造が敷かれていた強豪運動部の「密室ガバナンス」が完全に破綻した瞬間でした。