ドイツを英語で言うと?GermanyとGermanの違いや意外な語源を解説

ドイツを英語で言うと?GermanyとGermanの違いや意外な語源を解説

ドイツを英語で言うと?GermanyとGermanの違いや意外な語源を解説に関する気になる情報を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

英語を学ぶ過程で、多くの学習者が「Dutch(オランダの、オランダ語、オランダ人)」という単語を目にした際、「ドイツ(Deutsch)にそっくりなのに、なぜオランダなのか?」と激しい混乱を覚えます。このDutchとGermanの混同理由もまた、西ゲルマン語群の進化の歴史に起因しています。

前述の通り、「民衆の言葉」を指すゲルマン祖語系統の単語(theodiscus)は、中世初期のイギリス海峡を挟んだ一帯で広く使われていました。中世のイギリス人にとって、海を渡った大陸側に住むゲルマン系言語を話す人々は、現在のオランダ人もドイツ人も区別なくすべて「Dutch」と呼んでいたのです。

両者が明確に区別される契機となったのは、16世紀から17世紀にかけての地政学的変化でした。低地諸国(現在のオランダ・ベルギー周辺)がネーデルラント連邦共和国として独立し、世界屈指の海洋貿易大国としてイギリスの眼前に対頭したのです。イギリス人にとって最も日常的に接触する貿易相手・ライバルとなった低地諸国の人々を指して「Dutch」の呼称が固定化されました。一方、大陸奥地に散在していた無数の領邦国家群に対しては、古くからのラテン語由来の学術用語であった「Germania / German」が英語の呼称として復活・定着していきました。

この歴史的混同の証拠として最も有名な実例が、アメリカ・ペンシルベニア州に現存する「ペンシルベニア・ダッチ(Pennsylvania Dutch)」と呼ばれる伝統的コミュニティです。彼らは名前に「ダッチ」と冠されているものの、オランダ系ではなく、17〜18世紀に南西ドイツ地域から移住した敬虔なドイツ系移民(アーミッシュなど)の子孫です。彼らが自らを「Deutsch(ドイッチュ)」と名乗ったのを聞いた英語話者が「Dutch」と解釈した名残が、現在もそのまま文化人類学的な固有名詞として残っています。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。