地表付近の地形効果に加えて、近年の日本列島で40度超えの真相を決定づけているのが、大気上層における「二重高気圧」の居座りです。気象ニュースの解説でも頻繁に取り上げられるこの気圧配置は、列島全体を巨大な断熱オーブンの中に閉じ込める役割を果たします。
日本の上空約1万メートル付近には、大陸方面から張り出してくるチベット高気圧が存在します。その直下、上空約5,000メートル付近には、南洋の海上で勢力を強める太平洋高気圧が重なります。性質の異なるこの2つの高気圧が、日本列島の上空で綺麗に2層に重なり合うと、上空から極めて強い下降気流が発生します。下降する空気は断熱圧縮によって急激に温度を上げ、雲の発生を徹底的に抑え込みます。
この結果、遮るもののない強烈な太陽光が地表を焼き尽くし、逃げ場を失った熱エネルギーが地表付近に分厚く蓄積されていきます。2026年猛暑ニュースとして報道される広域的な猛暑の正体も、この上空からの「二重の蓋」に端を発しています。偏西風の極端な蛇行や、インド洋・太平洋熱帯域の海水温変動が、高気圧の勢力を異常なまでに強靭化させている現実があります。