画面上には文字が一つも存在しないにもかかわらず、Wordの白紙削除が実行できない最大の理由は、Wordというソフトウェアの設計思想にあります。Wordにおいて「ページ」とは独立したオブジェクトではなく、入力されたテキストや段落、改行記号の積み重ねによって動的に生成される「結果」に過ぎません。つまり、削除すべきはページそのものではなく、そのページを押し出している「見えない記号」です。
なかでもユーザーを最も悩ませるのが、Word最後のページ消えない現象です。文書の最下部に表(テーブル)を配置している場合、Wordの仕様上、表の直後には必ず1つの「段落記号(改行マーク)」が自動生成されます。この段落記号は通常の方法では削除できず、表がページ下端いっぱいに達していると、溢れ出た改行マークが次ページへと押し出され、純度100%の空白ページを作り出してしまうのです。
さらに、レイアウトを調整する過程で挿入された「セクション区切り(次のページから開始)」や「改ページ」の存在も厄介な障害となります。これらが画面上で非表示になっていると、ユーザーの目には「何もない空白」に見えるため、Wordの空白ページを消す理由が分からず、暗中模索の迷路に迷い込むことになります。