『仮面ライダークウガ』に登場する敵勢力・グロンギは、独自の古代言語を操り、殺人ゲーム「ゲゲル」を繰り返す戦闘民族です。そのなかでも上位階級に位置するグロンギ ゴ集団の一員が、ヤマアラシ種怪人であるゴ・ジャラジ・ダでした。それまでの怪人たちが純粋な身体能力や武器による殺傷を行っていたのに対し、ジャラジの行動原理は明確に「獲物の精神的な苦痛と恐怖を愉しむ」というサディズムに満ちていました。
五代雄介がここまで激怒した根本的な原因は、ジャラジが無作為に選んだ男子高校生たちを標的にし、死の恐怖に怯えパニックに陥る少年たちの姿を特等席で嘲笑していた点にあります。恩師である神崎先生の教え子や、かつて自分が関わった若者たちが次々と理不尽な絶望に突き落とされる光景を目の当たりにした五代の心の中で、これまで必死に保たれていた「憎しみに身を任せない」というストッパーが音を立てて砕け散りました。
常に自己犠牲を厭わず他者のために笑っていた五代が、明確な「殺意」を抱いて拳を握りしめた瞬間――それこそが、視聴者を震え上がらせた激怒の正体でした。