イタリア語で「バターのような(Burrata)」を意味するこのチーズは、南イタリア・プーリア州のアンドリアで1920年代に誕生しました。モッツァレラを製造する過程で余る端材(カード)を無駄にしないために、刻んだチーズと生クリームを混ぜ合わせ、モッツァレラ生地の袋で巾着状に包み込んだのが始まりです。
モッツァレラチーズとの最大の違いは、その内部構造とテクスチャーにあります。モッツァレラは全体が均一で弾力のある繊維状の組織(パスタフィラータ製法)を持っていますが、ブラータは「外皮(モッツァレラ)」と「中身(ストラッチャテッラと呼ばれる生クリームと割いたチーズの混合物)」に分かれています。
ナイフを入れると、繊維状のチーズに絡んだ純白のクリームがゆっくりと流れ出します。モッツァレラが持つ爽やかな酸味とミルキーな弾力に加え、生クリーム由来の濃厚な甘みとコクが舌の上で一体化する体験こそ、世界中の美食家を虜にする理由です。