作中でこの言葉が登場したのは、戦場ヶ原ひたぎが主人公の阿良々木暦(あららぎこよみ)に対して自身の思いや美学を説く場面でした。当時、深夜アニメや秋葉原カルチャーの代名詞として絶対的な地位を築いていた「萌え」という表現に対し、ひたぎは極めて冷淡かつクリティカルな視線を投げかけます。
「萌えのさらに一段階上を行く、次世代を担う新しいセンシティブな言葉」として彼女が提示したのが、まさにこの「蕩れ(とれ)」でした。作中では以下のような応用表現も披露されています。
- メイド蕩れ:メイド属性に対する極上の愛着と情緒的陶酔
- 猫蕩れ:羽川翼(ブラック羽川)など猫耳・猫属性に心奪われる状態
- 戦場ヶ原蕩れ:戦場ヶ原ひたぎという存在そのものに魂を奪われ、骨抜きにされる現象
自らの名前を冠して「戦場ヶ原蕩れー」と宣言する彼女の不敵さと愛らしさは、ツンデレの枠組みを軽々と飛び越え、視聴者の感情を一瞬で惹きつけました。言葉遊びとキャラクター造形を極限まで融合させる西尾維新ワールドの真骨頂といえます。